「今年のSMAサミットできるのかな…」
それぞれの胸に暗雲が広がりつつある2月
未知のウィルスによる脅威は、少しづつ足元まで近づいてきていました。
呼吸機能に脆弱性をもつわたしたちSMAにとっては、この事態は深刻です。
もし感染してしまったら命にかかわることになることは、誰にでも容易に想像できます。
それぞれが外出を控え、感染予防に知恵をしぼり、誠実に現実に向き合う覚悟を整えていく日々でした。
SMAサミットは、今まで対面での対話を重視してきました。
けれど、外に出ていくことができない、集まることが危険な状況では、工夫の余地もありません。
あきらめの気持ちが浮いては消え、浮いては消え、ゆらゆら気持ちが揺らぎます。
「会えないのなら正直あんまりモチベーションがあがらない」
「やめといたほうがいいのかな…」
話し合いのなかでそんな声もあがりました。
でも、実行委員みんなの心の中に、どこか“5月5日SMAサミットの日”は途絶えさせたくない、その思いだけは強く残っていました。
『オンラインでやってみようか!』
どうやったらオンラインでのSMAサミットが実現できるのか、具体策が見えていたわけではないですが、わたしたちは新しい方向に舵を切ることにしました。
そんなに簡単にはあきらめられません。
もちろん危惧していたこともありました。
○今までのSMAサミットのような濃い話ができるだろうか…
○SMAサミットで大事にしてきた、当事者だけしかいない閉じられた空間は、オンラインでは難しいな…
その一方で希望もありました。
○今まで遠方だったり、介助者調整ができずに参加できなかった人たちと出会えるかもしれない!
○チャット機能をうまく併用できれば、医療的ケアの必要な仲間ともいろんな対話ができるかもしれない!
ピンチはチャンスかもしれない。
この望みの方にパワーを注いでみよう、実行委員みんなの気持ちが自然と固まりました。
オンライン開催の運営方法なんて誰も知りません。
手探りでいろいろ調べながら、前日のギリギリまで細かなやり取りを続けました。
こんなに密に話し合ったのは初めてかもしれません。
第6回SMAサミットは、蓋を開けてみると30名以上の方からお問い合わせいただき、当日も27名の方々がご参加くださいました。
画面いっぱいに映し出されるSMA仲間を見た瞬間、言葉にあらわせない感動で鳥肌が立ちました。
北は北海道から、南は鹿児島まで日本縦断、こんなに多くのSMA仲間が一堂に会する場面をみたことがありません。
環境も身体状況もさまざま、みんな一人一人ちがうのだけど、それぞれが日々を目いっぱい生ききっていることを確認できる素晴らしい時間でした。
「それ“あるある”やんねー」「うん、わかるわかる!」「わたしもこんなことあって…」
共感のうずがあちこちで響きあい、体験や情報の交換もいつも以上に盛んに行われました。
27名もいると一部のみで盛り上がってしまい偏りが出ないかな…と心配した部分もありましたが、グループわけも功を奏し、各トークルームとも話に花が咲き乱れ、時間が足りなかったとのこと。
コロナ禍で少しずつしおれかけていた気持ちに、一気に水が注ぎこまれるように、それぞれの表情が瑞々しくなるようすが強く印象に残りました。
今回は自宅からだけでなく、施設、グループホーム、病院といろんな場所からアクセスいただきました。
いつもの対面であれば、あきらめておられただろうと思います。
改めて、オンラインの可能性に気づかされました。
「楽しかった。」「刺激がいっぱい」「また開催してほしい!」
といううれしい反響も、予想以上に多くいただきました。
街のバリアフリーが整ってきた、介助の制度も拡充されてきているといっても、残念ながらわたしたちSMAにとっては、外出がままならない環境であることは間違いありません。
さまざまな制限のある仲間同士が集うには、これからもオンラインの取り組みを試行していくことがもとめられています。
実行委員一同、この経験を糧に、今後のSMAサミットのより良いあり方を模索し、チャレンジしていきたいと思います。
SMAサミットにご参加くださった皆様、SMAサミット開催にご尽力くださる関係者の皆様、また当日わたしたちが快適に参加できるようサポートくださるご家族や介助者の皆様、本当にありがとうございました。
またこの日、2020年5月5日でSMA SHIPは1周年を迎えることができました。
これもひとえに皆様の温かいお力添えの賜物と心より御礼申し上げます。
これを機に、実行委員一同気持ちを新たに
皆さまに喜んで頂けますよう、一層邁進していきたいと思っております。
今後とも引き続き、ご支援ご声援賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます
略儀ではありますが、第6回SMAサミット報告とともに、1周年の御挨拶を申し上げます。
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